他の人が作ったエクセルを使っていると、数式の解読に時間がかかったという経験はありませんか?
他の人から引き継いだエクセルをはじめて使う場合だと、なかなか理解するのが難しいですよね。
数式が入力されているセルだけをすべて選択するなら「ジャンプ」機能を使おう
数式が入力されているセルを一発で見分ける方法を紹介します。
(1) まずは、数式が入っているか調べたい範囲を選択します。
ドラッグして範囲を選択してもいいですが、[Ctrl] +[A]を押すと、いま選択しているセルを含む、空白セルで囲まれた範囲を選択することができます。
(この範囲のことを「アクティブセル領域」や「カレントリージョン」といいます。)
(2)次に、調べたい範囲を選択した状態で、[F5]を押します。
ジャンプという画面が表示されるので、左下の「セル選択」をクリックします。
「選択オプション」の画面が表示されるので、「数式」のボタンにチェックを入れて、[OK]をクリックします。
数式が入力されているセルだけが選択されました!
あとから見ても分かりやすいように、セルに色を付けるなどの目印をつけておくと良いですね。
数式がどこを参照しているのか一発で判別する方法
数式が入っているセルの場所は分かったけど、数式でどこからデータを拾っているのか分からないよ!
では次に、数式の中身を一瞬で解読する方法です。
[Ctrl]+[Shift]+[@(アットマーク)]で数式と結果の表示切替!
それほど長くない関数であれば、まずは数式の内容を表示してみましょう。
通常であれば、エクセルは数式の結果が画面に表示されています。
ですが、[Ctrl]+[Shift]+[@(アットマーク)]の同時押しで、セルに入力されている数式(内容)そのものを表示することができます。
これで、一発ですべてのセルの数式を読み取ることができます。
ちなみに、数式表示からいつもの結果表示に戻したい場合は、もう一度[Ctrl]+[Shift]+[@]で切り替えることができます。
ちなみにショートカットキーを使わなくても、「数式」タブ→「数式の表示」からでも、表示を切り替えることができます。
簡単な数式であれば、この方法で理解できると思います。
数式の解読には「参照元のトレース」がビジュアルで分かりやすい!
関数が複雑だったりと、数式を読んだだけでは理解できない場合は、「参照元のトレース」が役立つかもしれません。
たとえば、以下の表を見てみましょう。
「売上利益」のところになにか数式が入っていますが、一見すると何を意味しているのか分かりにくいです。
こんなとき「参照元のトレース」を押すと、選択しているセルが参照している場所を矢印で表示することができます。
同じシート内であれば、上記のように参照しているセルが見えるようになります。
たとえばH2セルが参照しているのは、同じシート内のD2セル(商品コード)とG2セル(売上)だということが分かります。
よく見るとD2セルとG2セルには青く●が付いているのが分かりますよね。
別のシートを参照している場合は、点線部分をダブルクリックすると、どこを参照しているのか見ることができます。
では、参照元の「コード」シートC列を見てみましょう。
コードシートのC列では、商品ごとの利益率が設定されていました。
INDEX関数、MATCH関数を使って、商品ごとの利益率を参照しているようです。
つまり、売上利益の計算式の意味は、[コードごとの利益率]×[売上]を意味していたということですね。
後任者が困らないエクセル作りを心がけよう
今回の例では、INDEX関数とMATCH関数の組み合わせも使っており、見慣れないと少し複雑だったかもしれません。
実務の中では、もっと複雑な数式が入力されている場合も多いです。
どうしても数式が難解なときは、参照元のトレースを使っても理解できない場面も多々あるでしょう。
ほかの人がエクセルを引き継いでも悩まないように、コメントを入れておくとか、後任者への配慮も大切ですよ。