エクセルで分数を入力する方法。「ユーザー定義」で約分せず任意の分母を設定できる

エクセルで、分数を表示したいときって、どうやって入力するでしょうか。
たとえば、以下のように、C3セルに、「3/10」と入力したい場合。

入力しているときは間違いなく「3/10」と入力しているのに、入力を確定すると、勝手に「3÷10」の計算結果として、0.3を表示してしまいます。
小数でも分数でも間違いではないとしても、分数表示のほうが伝わりやすいという場面も多々あります。
今回は、分数で表示したいときの入力方法を3つお伝えします。
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文字列として分数を入力する

まずは、文字列として分数を入力する方法です。
方法は簡単で、分数を入力する前に、「’」(シングルクオーテーション)を入力するだけです。
「’」は、[shift]キーを押しながら「7」を押せば入力できます。

これで、分数を表示することができました。
ですが、この方法だと数字ではなく、あくまで「3/10という文字列を入力した」という扱いですので、分数値を参照している数式を入力すると異常値が生じてしまいます。
エラーの原因は、エクセルの内部処理として、「3/10は数字ではなく、3月10日を意味する」と認識しているからです。
DATEVALUE関数で、3/10と入力されているC3セルを確認すると、2022年3月10日を指すシリアル値の”44630”が表示されました。
そのため、D3セルには「10,000,000 * 3/10」の結果ではなく、「10,000,000 * 44,630」の結果の数字が表示されてしまっているのです。
このような誤りを防ぐためには、エクセルには「3/10は分数だよ」と伝えてやる必要があります。

分数の前に0を入力することで、分数を数値として認識させられる

エクセルに分数として認識させるには、「0 3/10」という風に、分数入力する前に「0␣」(0と半角スペース)を入力してあげましょう。
そうすると、画面表示上は3/10、内部処理上は、分数3/10の計算結果である0.3として処理されます。
ただし、約分できる数字の場合、勝手に約分されてしまうという問題があります。
たとえば、2/10と表示したい場合、以下のように「0 2/10」と入力してみます。
すると、2/10ではなく、約分した1/5という分数が表示されてしまいました。
計算上は誤りではないですが、分母を統一してあげないと分かりにくくなる場面もありますから、任意の分母を指定してあげたいですね。
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セルの書式設定から任意の分母を設定する

セルの書式設定から、分数の分母を任意の数字に設定することができます。
まずは、分数表示にしたいセルを選択した状態で右クリックし、「セルの書式設定」を選びます。

あるいは「ホーム」タブ→「書式」→「セルの書式設定」でもOKです。
「表示形式」→「分数」→「分母を10に設定」を選択して、OKをクリックします。
選択した範囲の数字がすべて分母が10の分数表示に統一されました。
ちなみに、分母を10000など、選択肢になかった任意の数字で表示させたい場合は、「ユーザー定義」画面から設定ができます。
「ユーザー定義」画面を開いて、「# ?/XXX」(XXXは任意の数字)と入力してあげれば、自由に分母を設定してあげることが可能です。

まとめ

使う機会がそれほど多くないかもしれませんが、いざというときに覚えておくと便利なテクニックです。
分数表示のほかにも、ユーザー定義は使いこなせると作業効率が大幅にアップしますから、使い方を覚えておくと便利ですよ。