別の記事で、高額な生命保険について見直すべき4つのポイントを紹介しました。
あなたは、生命保険に年間どれくらいのお金を支払っていますか? 自分がどんなプランに加入していて、どれくらい払っているのか分からないという人も少なくありません。 それくらい、生命保険に入るというのは日本人にとって当たり前のことになって[…]
中でも、貯蓄型の保険というのは基本的にぼったくり商品。
世の中の99%の貯蓄型保険は、入る価値が全くありません。
加入している場合は、元本割れしたとしてもすぐに解約したほうがいいです。
価値があるから入ってるんじゃないのかな?
保険屋のレディに騙されている人が大多数だと思うよ。
保険レディは嘘はつきませんが、大事なことは説明しません。
細かく説明しちゃったら、誰も入ってくれないのが明白ですからね。
もしもあなたが、うっかり貯蓄型保険に入っていたり、
家族が貯蓄型保険に入っているなら、この記事は役立つはずです。
それと、掛け捨て型保険よりも貯蓄型保険のほうが向いている人もいます。
どんな人が向いているのかも解説しますね。
そもそも貯蓄型保険ってなに?簡単に説明して!
貯蓄型保険は、支払った保険料が積立金になり、保険を解約したり保険期間が満期になったときに支払ったお金が戻ってくる保険です。
保険会社にもよりますが、満期で解約した場合は、積み立てた額の1割くらいが上乗せされた解約金をもらうことができます。
掛け捨て型の保険と違って、万が一に備えるのと貯蓄を同時に行うことができ、長期的に見れば保険料の払い損がありません。
ただし、掛け捨て型の保険と比べて、支払う保険料が非常に高額になるという特徴があります。
じゃあ掛け捨て型より貯蓄型保険のほうがオトクじゃない?
デメリットを理解しないとお金を損するよ。
貯蓄型保険にはこんなにたくさんのデメリットが!
- 元本割れのリスクがある
- 掛け捨て型と同じ保障内容でも保険料がケタちがいに高くなる
- 保険料が高すぎて生活を圧迫してしまう
- 満期に受け取れるお金の利回りが低すぎて魅力がない
- 保険期間中に死亡した場合は掛け捨て保険のほうがお得になる
元本割れのリスクがある
貯蓄型保険は、元本割れするリスクが非常に高い保険商品です。
あなたが選んだ保険会社にもよりますが、基本的に以下の場合に元本割れします。
- 保険期間満了になる前に保険を解約した場合
- 保険期間は満了したが保険加入期間が短かった場合
- 保険期間満了まであと少しの時期に生命保険が適用された場合
支払った保険料に対して、保険を解約したときにもらえる返戻金(へんれいきん)の割合を「返戻率」といいますが、貯蓄型保険の返戻率は基本的に100%を割ります。
100%を割るというのは、つまり支払った掛け金の満額を受け取ることができないということ。
返戻率が100%を超えるのは、だいたい保険加入から30年以上経ってからの場合がほとんどです。
なんとなくのイメージとして、保険に加入して30年未満で保険を解約したり、保険期間満了まで30年未満しか時間がない場合は、ほぼ確実に元本割れします。
特に、10年くらいで保険を解約した場合は、支払った額の30~50%くらいしか返ってこない商品も少なくありません。
それに加えてわたしが一番納得いかないのが、生命保険が適用された場合でも元本割れをする場合があるということ。
もし仮にあなたが亡くなったとき、保険料として支払った額の累計が1000万円を超えていたとします。
あなたが、死亡時に1000万円を受け取る保険に入っていた場合は、遺族が受け取れる額は1000万円だけです。
死亡したときに大切な人に残してあげられるお金が、保険に入るよりも普通に貯金していた方が多いというのは、すごく納得がいかない。
文句を付けるのはおかしいんじゃない?
貯蓄性が低いって、詐欺みたいじゃない?
掛け捨て型と同じ保障内容でも保険料がケタちがいに高くなる
掛け捨て型保険と同じ保障内容なのに、貯蓄型保険にすると、毎月支払う保険料がめちゃくちゃ高くなります。
これは保険会社が営利企業である以上しかたのないことです。
でも、貯蓄型保険の場合は、保険加入者が途中で亡くなったりしたら保険金、保険期間満了まで元気だったら解約返戻金を払わないといけない。
保険会社が利益を出す仕組みの説明は省きますが、保険会社としては、掛け捨て型保険よりも貯蓄型保険のほうがリスクが高い。
だから、貯蓄型保険はかなり割高な料金設定になってしまうのです。
じゃあ、貯蓄型保険と掛け捨て型保険、掛け金はどれくらいの差が出るのでしょう?
オリックス生命さんの保険商品を例にしてみましょう。
30歳の男性が、保険期間を60歳までとして、死亡時に500万円の保険金が受け取れる保険に入る場合。
掛け捨て型保険の「Bridge」であれば、月額1055円で加入することができます。少ない額で最低限の保障を受けられますね。
一方貯蓄型保険の「RISE」の場合は、月額は10870円。
なんと貯蓄型だと、掛け捨て型保険の10倍の額を毎月支払うことになります。
もちろん保障の内容によって掛け金には差が出ますが、貯蓄型保険がどれくらい高い出費になるかはイメージできるのではないでしょうか。
保険料が高すぎて生活を圧迫してしまう
保険という商品は、万が一に備えるための「転ばぬ先の杖」なんです。
保険料というのは、転ばぬ先の杖の利用料みたいなものです。
転んだときに備えるのは大事かもしれませんが、万が一の備えのために、今の生活が苦しくなっては本末転倒。
貯蓄型保険を選んでしまうと、いまの生活が苦しくなる可能性が高いです。
普通の貯金と違って、貯蓄型保険は解約するまでお金が手元に戻ってきません。
いまの生活で急な出費が必要になったときに対応できないというのは、貯蓄型保険の大きなデメリットです。
貯蓄型保険は人生の足かせになるよ!
満期に受け取れるお金の利回りが低すぎて魅力がない
そもそも、財形貯蓄の最大の魅力のはずの、貯蓄としての効果は決して高くはありません。
仮に30歳に貯蓄型保険を始めて、60歳で満期を迎えた場合に受け取れるお金は、商品によりますが、支払った保険料の1割増しくらいが多いです。
投資額の110%が手元に戻ってくるというと、すごく高利回りのように見えます。
すごくオトクなんじゃないの?
でも、途中解約せずに30年間、高いお金を積み立てるんだから、
コストに見合わないんだよ。
先ほどもお伝えしたように、貯蓄型保険は途中解約したらほぼ確実に元本割れするというリスクがあります。
加えて、急な出費が必要な時に、貯蓄型保険として積み立てた額を一部取り崩すということもできません。
自分の資産の流動性を犠牲にして、30年のお金を積み立ててきて、やっと受け取れる金額が投資額の1割増しというのは、かなり小さいごほうびです。
先ほど出したオリックス生命さんを例にして考えてみてください。
※枠内は細かい説明ですので、読み飛ばしても構いません。
貯蓄型保険のRISEの場合、毎月10870円を積み立てると、30年間で3913200円を支払うことになります。
それで保険期間が満期になったときに受け取れる額は、支払額の109.9%である4301850円です。
掛け捨て型保険のBridgeの場合、貯蓄型保険と同じ保障を受けるために必要な毎月の支払額は1055円でした。
貯蓄型保険の10870円との差額、9815円を毎月、年利1.6%の商品に投資した場合、手元に残るお金は、4300858円。
貯蓄型保険と違っていつでも現金化できて、受取額はほとんど変わりません。
実際、投資信託などで利回り1.6%というのはかなり利回りが少ないほうで、実際は3~5%くらいの商品も多いです。
手堅く運用すれば、貯蓄型保険に頼るよりもはるかに大きい老後資金を作ることは簡単です。
結論をいうと、掛け捨て保険を使いつつ、自分でお金を運用した方が、貯蓄型保険に加入するよりも自由にお金が使えるし、老後に手元に残るお金も多い可能性が高いっていうことです。
保険期間中に死亡した場合は掛け捨て保険のほうがお得になる
これは、あまり生保レディが説明しない点です。
貯蓄型保険は、解約したときにお金が返ってくるというのが特徴です。
この解約したときの中に、死亡したときなど、保険金を受け取る場合は含まれません。
もしも保険金を受け取った場合、貯蓄したお金が上乗せされるわけではないんです。
例えばあなたが、何かあったときに1000万円を受け取れるという条件の貯蓄形保険に加入して、毎月3万円を払っています。
年間で36万円を保険として貯蓄していることになりますね。
加入して20年目に、からだを壊して保険金を貰うことになりました。
このとき、受け取れるのはあくまで保険金の1000万円だけで、せっかく保険として積み立ててきた720万円(36万円×20年)をもらうことはできません。
貯蓄型保険は、最後まで元気だったらごほうびがもらえるというオプションがついた、超高額な掛け捨て型保険だと思った方がいいかもしれません。
まとめ。貯蓄型保険は入らない方が得策!
保険にお金をかけすぎると自由に動かせるお金が少なくなるから、いざというときに困る!
掛け捨て保険+自分でお金を投資して運用したほうが老後の備えを増やせる!
もしもに備えるのが生命保険なのに、もしものときに手元に残るお金は掛け捨て型のほうが多い!
保険っていうのは基本的に、いつ来るか分からない金銭的なリスクや不安に備えるためのもの。
貯蓄っていうのは、いつリスクが襲ってきても対応できるように手元に備えておくもの。
保険と貯蓄の役割は、似ているけれど全然違います。
全然違うふたつを、無理やりひとつにしているのが貯蓄型保険なんです。
分かりやすく錬金術の世界でいえば「キメラ」のようなものです。
このキメラのようなものが生み出された背景には、きっと、
もったいない!
保険を使わなかったんだから金を返せ!
という、クレーマーが過去にいたんじゃないでしょうか。
そんなクレーマーを黙らせるための秘策が、貯蓄型保険だったと。
違うかもしれませんけど。
なんにせよ。
マネーリテラシーの高いあなたなら、貯蓄型保険に入ることがどれだけもったいないか、よく分かるはず。
保険屋レディの話は常に疑って、甘い話につられないようにしましょう。
あなたにとって最適な生命保険を見つけるためには?
では、どんな生命保険のプランに入るのが一番いいのでしょう?
実は、誰にでもピッタリな生命保険のプランというのは存在しません。
あなたの家庭環境や収入、万が一にいくら手元に残したいかなどによって、最適な生命保険のプランは異なるからです。
あなたにとって最も最適な保険のプランを知りたいのであれば、あなたが契約している生命保険の担当者の意見は参考にしないでください。
保険屋に相談したら最後、あなたの不安をあおって高額なプランの加入をおすすめされるだけですよ。
あなたにとって最高の生命保険に入りたいなら、特定の保険会社に雇われていないファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのが一番です。
特定の生命保険会社に肩入れしていないFPなら、あなたにとって本当に必要な保険を一緒に考えてくれます。
面談した結果、保険の見直ししないっていうのも大丈夫!
無料ですがお金のプロが対応してくれます。素朴な疑問でも答えてもらえますよ!