「産後うつ」は男社会が女性に苦労を押し付けている証拠では?

子育てって本当に大変ですよね。わたしも子育てがスタートして、子育ての難しさを実感しています。

私は、仕事はさっさと切り上げたり休みを取ったりして、なるべく子どもと一緒の時間を作っていますが、どうしても仕事が抜けられないときは妻に負担をかけてしまっています。

幸い、我が家の場合は近くに頼れる親族がいたため、家庭が成り立っていますが、ワンオペ育児の人は本当に大変だと思います。

 

女性が出産後にかかりやすいと言われるのが、「産後うつ」という病気。産後の育児によるストレスやホルモンバランスの乱れなどによって鬱症状が現れることをいいます。

この「産後うつ」という言葉について、ちょっと変だなあと感じているので、男の立場から感じた思いを書いてみます。

 

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産後うつとは?

私は医療関係の知識はないので、専門サイトから「産後うつ病」についての解説を引用します。

産後うつ病とは、分娩後の数週間、ときに数カ月後まで続く極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が起きている状態をいいます。
うつ病になったことがある場合、産後うつ病を発症しやすくなります。
産後うつ病になると、極端に悲しくなったり、泣き叫んだり、易怒性や気分の変動がみられたりします。日常活動や子どもへの関心を失うこともあります。
出産後2週間以上悲しみの感情が続いたり、日常的な活動をつらく感じている場合、もしくは自分や子どもを傷つけたいという思考がある場合は、主治医の診察を受ける必要があります。
産後うつ病の女性には、精神療法と抗うつ薬を組み合わせた治療が勧められます。
産後3日以内にみられる悲しさや惨めさなどの感情はマタニティーブルーと呼ばれ、多くの母親が経験するものです。こうした感情はたいてい2週間以内に治まるため、あまり心配することはありません。

産後うつ病はこれよりも深刻な気分の変動です。産後うつ病になると症状が数週間から数カ月間続き、日常生活に支障が出ます。約10~15%の女性に発症します。極めてまれですが、産後うつ病よりもさらに重度である産後精神病が発生する場合もあります。

MSDマニュアル-「産後うつ病」の解説ページより引用

産後うつ病の原因とされるものや症状、対処法などは引用ページを参照してください。

 

一日中ずっと赤ちゃんのお世話してたらストレスで鬱になって当然

「産後うつ」って、なんで「産後」なの?

 

出産を経験するのは女性だけ、そして女性がなりやすい鬱症状だから「産後うつ」なんでしょう。

確かに出産や育児などでホルモンバランスが崩れるとか、女性特有の症状もあるのかもしれません。

 

でも、別に「産後うつ」じゃなくて「育児うつ」でいいのでは?

最近は育児うつとか、育児ノイローゼっていう言葉も時折目にするようになってきましたが、まだまだ子育て中の女性に現れる鬱症状は「産後うつ」という言葉が主流なように感じます。

 

でも、本来であれば育児は家族で行うもので、男も育児をしていればノイローゼや鬱症状に悩まされて当然なはず。

それなのに「産後うつ」という言葉が主流なのは、なぜでしょう?産後があるのは女性しかないのに。

 

「男が育児にぜんぜん参加していないのが鬱症状の原因のひとつなのに、育児による鬱症状を女性特有のもののように扱って、男性は関係ないものと印象付けている」ように感じます。

ちょっと性格の悪い発想かもしれませんが、「産後うつは女性なら皆かかるから大丈夫」と、男が育児に積極参加しないことへの免罪符として「産後うつ」という言葉が使われているのではないか?

男も「産後うつ」になるくらい育児をやればいい

女性が「産後うつ」になるのは、社会のせいであって、育児に悩む女性に責任はありません。

男は育児に参加しなくてもよいかのような風潮があるのが問題です。

 

そもそも冷静に考えてみてほしい。

意思疎通ができない、なんで泣いているのかも分からない、目を離したら大変なことになるかもしれない人間を一日中、そして毎日世話をするんです。土日祝日も関係なしです。

その大変な期間が、いったいいつまで続くのかもまったく分からないんです。

 

いつ解放されるのかも分からない責め苦のようなものを、日本社会は女性に押し付けてきたんです。

男性も、女性と同じように休みなく育児に専念すれば、きっと憂鬱になったり、ノイローゼになってしまう人が続出するはず。

「産後うつだから、女性の病気だから仕方ない」という男性的発想も無くなるのでは?

 

母親に育児を押し付ける日本社会、どうかしてる

そもそも、男性が育児に参加しにくい社会になっているのが最大の問題です。

育休を取った男性が職場復帰したら単身赴任を強いられるとか、左遷されるとか、「男は育児に参加する必要はない」と言わんばかりです。

 

少し前には、男性の政治家で育休を取得した人がいましたが、育休期間中に奥さんではない女性と関係を持ったという事案もありましたね。

このせいで「育休=男が遊ぶ期間」という変なイメージが定着した気がします。

 

いまの日本社会で偉い人や制度を変えられる立場にある人、影響力にある人の多くは、どうも男性の育児参加を推し進めようという気概は感じられません。

 

育児参加のためにも定時で帰ろう

社会は簡単には変えられないので、働いている男性は、さっさと仕事を切り上げて定時で帰りましょう。

仕事はサクサク終わらせて有給を取りましょう。

 

育児のためなのに定時で帰れない、有休を取れない会社があるなら、告発していきましょ。

私たちのように権力がない人間でも、できることから始めましょう。